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オーストラリア滞在記

旅日記

スイス

訪問日 09'7/18〜7/26


主要訪問地

ジュネーブ
シャモニー・モンブラン エギーユ・ディ・ミディ
世界遺産の旧市街地 ベルン
グリンデルワルド ユングフラウヨッホ(トップ・オブ・ヨーロッパ)
ツェルマット マッターホルン
氷河特急〜ヴァルス・テルメ
ルツェルン ライオン記念碑


7月18日(土)

成田空港に到着、チケットを受け取り、スーツケースを預ける。両替をして本屋で時間をつぶす。
と、「わがまま歩き 旅行会話 ヨーロッパ5ヶ国語」という本を見つけたので購入。
大学の時に第2外国語として習得したフランス語知識は皆無に等しいし、ドイツ語はまったくもって未知。
ほぼ定刻どおりに離陸し、いつものように窓際に陣取ったオレは寝ても覚めてもひたすら窓の外を眺めていた。
8割は曇っていたが、所々雲間から下界を眺めることが出来た。
特に初めて見る、ユーラシア大陸の果てなく広がるツンドラは印象に残っている。

ヨーロッパに差し掛かるとまた一面雲になり、今後の天気が心配される。
離陸から13時間後、ようやくスイスに到着!

さすが涼しい!入国手続きを済ませ、そのままジュネーブへの乗り換え便に。
1時間もせずにジュネーブに着き、早速ホテルへ。
電車に乗る前にスイスパスのバリデーションを済ませ、ホームへ!
どのホームからコルナヴァン駅への電車が出るか聞いたものの、不安になって電車内でも再確認。
それにしてもスイスの電車は日本と違って乗り心地がよさそう。1等車という事もあるが、新幹線よりも快適なのだ。

走行音も思ったより静かだし。旅の滑り出しは上々である。
駅に着き、ホテルを探す。最初は反対側の通りに出てしまったが、難なく見つけチェックイン。
18時を過ぎていたが、ここスイスは日没が22時との事で、辺りはまだまだ明るい。
手荷物を整理して慌しく市内観光へ。
とりあえず、ぶらりと歩く。
初めてのヨーロッパ、初めてのスイスである。
ちょうどローヌ川とレマン湖の境にかかるモンブラン橋を渡り、イギリス公園へ。

花時計を見て旧市街方面へ。


石畳の道を歩きながら写真を撮りまくる。

その後、ジュネーブ大学方面へ向かい、宗教改革記念碑を拝もうとするも工事中で見れず。

小腹が空いてきたので露店でサラミ入りパンとビールを買い、散歩を続ける。

こんな感じで約2時間ほど歩き回る。
辺りがようやく薄暗くなり始めた21時頃ホテル向かいのLes Brasseursで夕飯!
メニューを見るもフランス語で意味不明なので英語メニューを出してもらう。
シトラス入りビールを飲みながら明日以降の旅程に思いを馳せる。

7月19日(日)

4時半起床!

5:56ジュネーブ発の電車に乗り、フランス領のシャモニーモンブランを目指す。
ここからモントルーまではレマン湖沿いをひたすら走る。
かの有名なラヴォー地区辺りになってくると、ブドウ畑が段々畑のように続く。

時には湖岸の波打ち際から線路をはさんで遥か山の上までブドウ畑が続いている。
Martignyで乗り換え。少し時間があったので朝飯とコーヒーを購入。
08:01発シャモニーモンブラン行きの列車に乗り換える。

出発後間もなく、山肌を縫うようにぐんぐん高度を上げていく。ふと、谷側に映えている木々が途切れ、視界が広がった。

遠くに見える斜めの地平線を見て、改めて斜度のキツさを知る。

深い谷を見下ろすようにして列車はぐんぐん山奥へと分け入っていく。
谷の向こう側に目を見やると、深い緑に覆われた斜面にポツンと一軒家が。
あんなところにどうやって行くのかと思うほどの孤立無援っぷり。そんな家が所々にある。


やがて遠くに雪を頂いた山が見えてきた。シャモニーが近い。
Vallorcineで列車を乗り換え、09:33、シャモニーモンブランの駅に到着。

早速ホテルに行くが、こんな早い時間にチェックインできるはずもなく、荷物だけ預けてロープウェー乗り場へ。 途中でロープウェーを乗り換え、展望台も近くなると周りの景色が変わってきた。
ロッククライミング、アイスクライミングでしか味わう事の出来ないような急勾配が目の前に広がる。
これは鳥肌ものである。日本の山にもロープウェーは沢山あるが、比べものにならないほどの絶景である。
駅に着きそのままエレベーターに飛び乗り、一気に3,842mの頂上展望台へ。

エレベーターの扉が開いた先に広がる景色は今まで見たことのない、本場アルプスの銀嶺が遥か彼方まで連なる。
「モンブラン」も眼前に。
そして、この旅で一番見たかった景色を見る事も出来た。
それはこの3,842mの展望台から見下ろす「シャモニー」の町。
ちょうどいい具合に雲が切れていて、空気も澄んでいてはっきりと眺める事が出来た。
日本やオーストラリアの数々の山に登り、その山頂から広がる景色を見下ろしてきたが、ここ、エギュイ・デュ・ミディから見下ろす景色は格別だった。

天と地を両方見る事が出来ると言っても過言ではない。
シャモニーを見下ろすその背後には、万年雪を抱く美しいモンブランと数々の銀嶺が織り成すように連なっているのだ。
時たま、イタリアのポワント・エルブロンネからゴンドラが3つ連なってやってくる。時間があれば向こうにも行ってみたかった。
富士山よりも高い標高の中、歓喜しながら、三脚を立てて写真を撮っていると段々と足が冷たくなってきた。弟は頭がちょっと痛いと。という事で展望台を後にし、エレベーターを降りて、ヴァレー・ブランシュ出発口へ。
氷の洞窟を抜けると、今まさにアタックせんとするパーティーが。ハーネスを装着し、アイゼンを履き、各自装備の最終チェックをして物珍しそうに眺めている観光客の脇を通り過ぎて稜線を下って行った。今度は装備もそろえて、ゆっくりと来てアタックしてみたいものだ。滑降もしてみたいし。
アラヴィ・シャモニー・モンブランと3つの展望台からの景色を堪能し、後ろ髪引かれる思いでロープウェーに乗って下山。 途中のエルブロンネル展望台(2,317m)まで戻り、オープンテラスで雄大な景色を眺めながら軽くランチ。
そしてモンタンヴェール(1913m)までハイキングを楽しむことに。
谷へとゆるやかな坂を下る。しばらくすると斜度がきつくなると同時に視界が開け、谷底のシャモニーの街が見えてきた。オレもこの山羊達のようにのんびりと景色を眺めながら1日中寝そべっていたいな…。
ここからは谷を並行する形でしばしの空中散歩を楽しむ。終始シャモニーの谷を見下ろしながらのハイキングである。
オレの好きな「Walking high above the world」だ。多少のアップダウンはあるものの、総じて平坦な道。と、草原が開けている所があったので休憩ついでに寝転ぶ。
いいねぇ。ハイジの世界そのものである。ここにテント貼れたら最高だな〜。

ふと道端で目にした奇妙な花。調べてみると「フィテウマ・オルビクラレ」という日本では見られないフィテウマ種の花との事。独特の姿から「悪魔の爪」という別名もあるらしい。
約2時間後、急坂を上り詰めたその先には今までの長閑な雰囲気とは打って変わって岩だらけの異世界が広がっていた。眼前に聳える4,208mのグランドジョラスを仰ぎながら更に歩を進めていくとメール・ド・グラス氷河がお見え。積雪期でないこともあり、ぶっちゃけ綺麗ではなかったが…(笑)
ここからはモンタヴェールへとひたすら下る。すれ違うハイカー達の中にはへばっている人もいて、「上まであとどの位?」って聞いてくるハイカーも。「20〜30分?」って答えたら幻滅してた。
そんなこんなで約2時間半のハイキングを終え、モンタンヴェール駅到着。お土産屋を物色して電車でシャモニーへ戻る。
遅過ぎず速過ぎない速度で下るその列車の窓から眺める景色もまた一興。20〜30分程でシャモニーに到着。早速預けておいた荷物を回収してチェックイン。手荷物を整理して慌しく市内観光へ。
さすが世界に名立たるシャモニーモンブラン。山も麓の町も世界中からの観光客で溢れている。
こちらはソシュール広場にある「バルマとソシュールの像」。指差すその先が先ほどまでいた、エギューイ・デュ・ミディである。ほんの数時間前にあんなところにいたなんて変な気持ちである。
(モンブラン初登頂者の像である為、モンブラン頂上を指差すようにして撮るのが正しい。)
とある土産屋で面白いTシャツを見つけたので友達への土産用に購入。
ポイントは使用言語がフランス語であるという事。日本では殆どの人が分からないが、ごく一部、分かる人には分かるところがミソ。
フラフラと歩いているうちにお店が閉まり始めたので夕飯にする事に。
入ったお店は「L'lmprevu」。町外れにある為、料金がリーズナブル。しかもエギューイ・デュ・ミディを眺めながら食事が出来た。弟曰く、オーナーがマーシーに似ているとの事。確かに似ているような…。
ゆっくりとディナーを味わい、デザートもしっかり頂く。
時刻は21時ちょっと前。ようやく暮れ始めた中、ブラブラしながらホテルへ戻る。

7月20日(月)

5時半起床、支度を済ませ6時半からの飯へ。少し遅れて6:45にレストランが開いたが、ここの朝飯は質・量ともに文句なし。悲しいかな、周りで飯を食っている人が殆ど日本人なのでどっか日本のロッジで朝飯を食べているような感覚。
ゆっくり、腹いっぱい朝食を食べて、駅へ。昨日着た道を戻り、ベルンへ。
約3時間半後に到着。ホテルに行くとチェックインできるとの事だったのでチェックインしてスーツケースを置いて観光へ。
世界遺産の旧市街にしては、路面電車の架線があちこちに張り巡らされており景観ぶち壊しのような気が・・・。
時計塔のそばを通りかかった時、ちょうど仕掛けが動く時間だったので他の観光客とともに見上げながら待ちつつも鶏が鳴くだけで仕掛けらしい仕掛けは見れず。諦めて先へ。
所々にある噴水の像を眺めながら町の東へ。
ニーデック橋を渡りクマ園に行くも肝心のクマがいず。
ここからバラ園へ。小高い丘になっており、眺めは抜群。
ちょうどテラス席のレストランがあったのでここでランチを取る事に。
ビールとパスタを頼み、世界遺産である旧市街を眺めながらのランチは最高だった。
この頃になって気づくのだが、スイスの川は透き通ってるわけではない。エメラルドグリーン、例えるなら硫黄泉のように濁っているのだ。なんでだろうな〜。氷河の成分?と思ったりもした。
14時過ぎ、飯を食べ終わりこの後は個別行動に。
建築物に興味がある弟はパウル・クレー・センターへ。建築物に興味がないオレは・・・、というよりもオーストラリアで知り合ったスイス人の一人と再会の約束があった為、大聖堂の尖塔に登ってから一旦ホテルに戻る事に。
してこちら、大聖堂である。
1412年に着工、完成は1893年と実に481年もの歳月がかかっている。しかもこの尖塔はスイス一の高さを誇るとの事。
早速入場券を買い、螺旋階段を上る。階段を延々と上り続けるのだが、足の向きと顔の向きが違うので異様に疲れる。それに駆け上がるとそれこそ目が回りそうになる。
しばらくして階段を上り詰めるとテラスに出た。そこからはベルンの町並みが所狭しと建ち並んでいる姿が見下ろせた。支柱にはそれぞれの方角を眺めている何らかの像が彫ってあり、これまた興味深い。
さて、戻ろうかと思いきや、更に上層への階段が。迷う事なく歩を進める。テラスに出るが・・・狭い!
狭いことも相まって高度感が半端ない。ちょうど南南東の方角に明日訪れるベルナーアルプスがはっきりと見えた。スイス一の尖塔からの眺めを堪能した後、階段を下って礼拝堂へ。聖書の一場面を描写したステンドグラスやマリア像、パイプオルガンなどを興味深いものが沢山。
大聖堂を満喫してホテルに戻る。
ホテルに戻るや否や、仕事を早めに切り上げて駆けつけてくれた友人と2年半ぶりの再会。
とりあえずビールを飲みながらオーストラリアの話や近況報告をする。ビールでお腹がいっぱいになった所で、町をぶらぶらする。足は自然と連邦議事堂の方へ。ここブンデス広場では30分ごとに噴水が噴きあがるらしい。オレ達が着いた時は残念ながら噴水が噴きあがっていなかったが、こちらは噴きあがっている時の写真(弟撮影)。
広場横にはスイスのナショナルバンクがあり、友達曰く「地下にお金がいっぱいあるよ」 との事(笑)。
そのまま連邦議事堂の裏に回ると、高台に位置しているのか、ちょっとした展望台になっていた。
裏から連邦議事堂を見上げるとスイスのそれぞれのカントン(州)のエンブレムが掲げられていた。
そして高台からはベルナーアルプスの銀嶺がはっきりと見えた。友達にアイガー・メンヒ・ユングフラウの位置を教えてもらいながら山座同定を楽しむ。
その後また中心街のほうに戻り、カフェでコーヒーを飲みながら雑談。
20時半頃ホテル前でお別れ。
ホテルに戻ると弟はもう寝る支度をしていた。
かくいうオレは…、一眼レフと三脚をバックに詰めて、昼間訪れたバラ園がある高台へと。
天気も良さそうなので世界遺産ベルンの旧市街の夜景を撮影しに行く事に。
こちらは途中のニーデック橋から撮ったシーン。
そして坂道を登り、昼間ランチを食べたレストランまで来るとびっくり。
蝋燭が灯るレストランは満員。歩道に沿って建っている低い壁にも地元の人と思われる人々が座り込み、ワイングラスを片手に夜景を見ながら談笑している。
早速カメラを取り出し、暮れ行く旧市街をファインダーに収める。
絞りやシャッタースピードを変えながらあれこれ写すこと約1時間。辺りもすっかり暗くなったので引き上げることに。
ホテルに戻ると23時。さっさとシャワー浴びて寝る。

7月21日(火)

駅前のcoopで朝飯を調達し、6:35の電車に乗る。陽が昇るトゥーン湖を眺めながら朝飯を食す。
インターラーケンオストで乗り換え、グリンデルワルドへ。
この車両は窓を開けられたので構うことなく全開に。
シャモニーに向かう時ほど険しい谷ではなかったものの、山奥へと進んでいく。
やがてガイドブックで見たような、なだらかな丘に家が点在する風景が目に飛び込んできた。
眼前にはヴェッターホルンが聳える。グリンデルワルドである。
08:09到着。ホテルに荷物を預け、FBゴンドラに乗りフィルストへ。
30分程の空中遊覧を楽しみ、フィルスト駅からは往復2時間ほどのハイキングを楽しむ。
左手に連なるベルナー・オーバーラントの山並みと、足元に咲き乱れる色とりどりの高山植物を楽しみながらアップダウンの少ない道を歩いていく。
雲が多かったのが少し残念だが、それでも景色は素晴らしかった。
バッハアルプ湖で小休憩し、折り返してフィルスト展望台へ。
ロープウェーで村まで戻り、グルント駅まで移動、GGMゴンドラに乗りメンリッヒェンまで約40分の空中遊覧を楽しむ。降り立った先は2,229m。ここから2,061mのクライネ・シャイデックまで1時間半程のハイキングを楽しむ。
正面にアイガー・メンヒ・ユングフラウ、そしてスフィンクス展望台を、左手には谷底に広がるグリンデルワルドの村を眺めながらの空中散歩。
途中、放牧中の牛が、ガランガラン・・・と首から下げたベルを鳴らしながら草を食んでいる光景を目にする。
これぞスイスの光景である!もう少し青空が広がっていればな〜。
やがて、アイガーノードヴァントやクライネ・シャイデックが見え始めるにつれ、人だかりが出来てくる。
アイガー北壁の麓にある、ここクライネ・シャイデック駅は「TOP OF EUROPE」として有名なユングフラウヨッホへの乗換駅。早速列車に乗り込む。
列車には何故か日の丸と「大津」という文字が。
全行程の3/4がアイガーとメンヒの胎内のトンネルである。
途中にある一つ目の停車駅2,320mの「アイガーグレッチャー」ではちょうどロッククライミングを楽しんでいる人の姿が。感想は・・・ロッククライミング経験者のオレとしては「寒そう」だけだった(笑)。他の皆は「ありえない」って顔で恐る恐る覗いていた。
さて、次の停車駅3,160mの「アイスメーア」では初めてユングフラウ連山の南側の景色を目の当たりに出来る場所。今までとは打って変わって一面氷河と雪の世界だった。
クライネ・シャイデックを出発してから約50分後、ようやく終点の3,454m「ユングフラウヨッホ」に到着。
このトンネル、1895年に工事が始まってから16年もの歳月をかけてやっとユングフラウヨッホまで開通したとの事。天文台も1922年から活動を続け今もバリバリの現役というから驚きである。

まずはエレベーターで3,571mのスフィンクス展望台へ。「乙女ユングフラウの透き通る長い髪」と評されるヨーロッパ最長のアレッチ氷河を目の当たりにする。雲がかかっている為全景を拝むことは出来なかったが、さすが日本の「雪渓」とは全然違う(あたりまえか)。
スフィンクス展望台での景色を堪能した後は、アイスパレスへ。
日本語の表記もあったのでびっくり。
氷河内、深さ20mにある洞窟との事で、壁も床も全て氷。
その後、プラトーテラス展望台へ行き、雪に覆われた屋外テラスへ。
約1時間半の短い滞在ではあったが面白かった。次は是非とも氷河トレックもしてみたいものだ。

終電一本前という事もあり、帰りの列車は大混雑。
長い長いトンネルを下って、外に出るとさっきまでいたユングフラウヨッホは豆粒ほどの大きさ。
左に向かってゆるやかにカーブする線路のその先にはクライネ・シャイデック、そしてスイスそのものの風景が広がる。


クライネ・シャイデックで乗り換え、グリンデルワルドまでこれまた緩やかに坂を下っていく。
窓を全開にし、時折線路脇を歩いてゆくハイカー達を見送りながら、次第に近づいてくるグリンデルワルドの村を眺める時間は何ともいえない快感だった。
グリンデルワルドに戻り、土産屋が閉まる18時頃まであちこち物色し、オープンテラスのある店で夕食。ここまで眼前に山が迫っているテラスレストランも中々ない。

夕食後、まだ開いている土産屋に寄りながらホテルへと戻る。
ホテルに戻りシャワーを浴びて窓の外を覗くとちょうど陽が沈んだところ。
暮れ行く村と山をバックに何枚か写真を撮る。
すっかり暗くなり、雲ひとつない綺麗な夜空だったのでシャッターを開けたまま寝ることに。

そして目が覚めたのは2時頃…。恐る恐る外を覗いてみると満点の星空!それどころか星が瞬いていた。まるで音が聞こえてきそうなほど。流れ星も何度か見れたし…。
フィルムを巻いてまたシャッターを開けっ放しにして寝る。
4時半に起きてまた外を覗いてみたが、その時には雲が出てきてた。案の定、現像した写真は星の軌跡が雲に邪魔されて途切れ途切れだったが、1枚目はちゃんと撮れていたので文句なし!ちとオーバー気味だがまぁ良しとしよう。

7月22日(水)




誰も起きていないホテルをこっそり抜け出し、ホームへ。
5:19始発の電車に乗りグリンデルワルドを後にし、ツェルマットへ。
約3時間後の8時過ぎ、ツェルマット到着。何というか、想像していたよりも賑やかな町だった。
ホテルに荷物を預け、まずはスネガへ向かう。道中、マッターホルンを振り向くが頂上はあいにく雲の中。スネガ駅につき、ライ湖で逆さマッターホルンを拝もうとするもそよ風が湖面を波立たせ、拝めない。
気を落とし湖の周りを歩いていると次第に風が止んできて、湖面にマッターホルンが映り始めた。
頂上は雲に隠れていて、天気は優れないものの、なんとか逆さマッターホルンを拝めた。

展望台に戻り、裏?マッターホルンを拝みツェルマットへ戻る。
そしてゴルナーグラート鉄道に乗りゴルナーグラートへ!
天気が悪いせいか車窓からの風景があまりパッとしない。
約45分後、3,089mのゴルナーグラートに。
本来であればこのホテルに泊まる予定だったのだが、キャンセル待ちの順番が回ってこず泣く泣く諦めたのだった。
しかし、泊まれなくて良かった事を実感する。天気が良ければいいが、今日みたいなあまりパッとしない日にこんな何もない所に泊まっても何も面白くない。
さて、ちょっと早めだったが昼飯を取ることに。
弟は暖かい館内で食べたそうだったが、構わず外のテラス席で食べる事に。
相も変わらずマッターホルン頂上は雲の中だったが、荒涼たる?景色の中で頂くランチとビールは中々旨かった。
その後、氷河を見て、12時半頃の列車でツェルマットへ。
今度は町外れまで歩き、ヴィンケルマッテン駅から3,883mのクラインマッターホルンへ!
と思ったら運行中止だって・・・。
仕方なく、2,583mのシュバルツゼー展望台へ。
空中遊覧を楽しみ、シュバルツゼーに降り立ったとたん、雨が。
しかも風雨ともに強くなり横殴りの雨に。
どうしようもなくなってすぐにロープウェーに戻り、ツェルマットへとんぼ返り。

何度か止まりつつも、フーリになんとか帰還。乗り換えてツェルマットに戻ってきた時には殆どのロープウェーが運行中止になっていた。
ツェルマットも一雨振られたらしく、石畳の路面が濡れていた。

天気も優れないし、って事で後は町中を散策することに。お土産屋を物色しながらツェルマット駅方面へ向かう。
ホテルに戻り、荷物を回収してチェックイン、そしてまた町へ。
18時過ぎディナー。
その後、マッターホルンを見に行くも、依然と頂上は雲の中だった。

7月23日(木)

久々の8時起床。ゆっくりと朝飯を頂き、ゆっくりとホテルを出る。
マッターホルン頂上はま〜だ雲の中で結局一度も全貌を拝めず。
10:00発の氷河特急に乗り込む。


この氷河特急はここツェルマット〜サンモリッツ間の270kmをおよそ8時間をかけてゆったりと進む「世界一遅い特急」。しかしながら「世界一眺めのいい特急」と言っても過言ではない。 全車パノラマ車両であり、反対側の景色も座ったままゆっくりと眺められる。
本来ならサンモリッツまでの全線制覇をしたい所であるが、旅程に無理があったので諦める。かの有名なラントヴァッサー橋はまた今度の機会にするとしよう。

さて10時、ゆっくりと出発した氷河特急は時たまラックレールの助けを借りながら標高1,605mのツェルマットから標高600mフィスプまで下る。そこからいっきに2,033mのオーバーアルプパスヘーエまで駆け登る。谷間に群立する町や遠くに残る雪渓、エメラルドグリーンのオーバーアルプ湖など見所は沢山。
席に運ばれてきたランチを頬張り、ワイングラスを傾けながらゆっくりと流れていく景色を堪能する。
約5時間30分後、クールに着き普通列車に乗り換え、イランツまで戻る。
そこからバスに乗り、ヴァルスへ。
いくつもの細い曲がりくねった山道を抜けた先にあったのは寂れた山村。
ここには弟お目当ての「Vals Therme」がある。なんでもスイスの建築家によって建てられた温泉施設が有名らしい。
ホテルにチェックインし、建物の外観を見に行くことに。
地元の石を切り出して地形に沿って建てられただけあり、周りの景色と同化しており一体感がある。それでいて洗練されている。一通り外観を見た後は近くのスーパーで夕飯を買い、早速温泉施設へ。
まぁ、温泉というよりは温泉プールと言ったほうがいいかもしれない。
日本にある温泉とは比べられないが、まぁ、ゆっくりと浸かり旅の疲れを癒した。
一旦あがり、部屋で先ほど購入した飯を食い、22時からのナイトバスも楽しむ。サイレントタイムという事で要はおしゃべり禁止。屋外のプールに浸かりながら空を見上げてみるとわずかに星空が見えていた。

7月24日(金)

7時過ぎのバスに乗り、ルツェルンへ。最後の目的地である。
イランツで電車を待っている間に近くにスーパーで朝飯を調達し、クールへ戻り一気にルツェルンへ。
11:20過ぎルツェルン到着。早速ホテルに行くとチェックイン可能だったので部屋に荷物を置いて散策開始。
カペル橋を渡ったり、旧市街を歩いたり、ムーゼック城壁を見たりしているうちに時刻は14時半を回ろうとしていた。腹が空きすぎた為、弟にギブアップ宣言をし遅めのランチを取る。ラートハウスブラウアイという所でテラス席を確保し、地ビールを飲みながらスイス最後のランチを楽しむ。
腹ごしらえが終わった所で、ホーフ教会、ライオン記念碑、氷河公園へ行き、弟とは別れてホテルへ行く。17時、ホテル前で友達と待ち合わせ。ベルンの時は語学学校で知り合った友達だが、こちらはオーフィアスツアーで知り合った友達。
一杯ビールを飲んだ後、レストランへ移動し、飯を食いながら思い出話に華を咲かせる。
と、トーマスがオーストラリアで撮った写真のアルバムを見せてくれた。が、妙に見覚えのある写真が多数。それもそのはず、オレが撮った写真を無断使用(笑)。
飯を食い終わった後はライオン記念碑へ行き、そのままフィーアヴァルトシュタッテー湖畔へ。
なにやら賑やかだったので聞いてみるとミュージックフェスティバルが開かれているとの事。1時間ほど野外フェスティバルを楽しみ、またバーへ移動して1杯。
23時も近くなったので、解散となる。別れを惜しみつつホームに消える友達を見送る。
その後、一人でミュージックフェスティバルの会場を散策。SWATCH協賛ということもあり、SWATCHの出店があったので物色。デザインも値段も手ごろなやつがあったので悩んだ挙句購入。
ホントはオメガ辺りを買うはずだったがあまりの高さに買う気もしなくなった。友達にも「オメガ買うくらいならもう1回スイス来る時の旅費にするよ」って言ったら「確かに」って笑いながら賛成されたし。


7月25日(土)

親ホテルのモノポリーで朝食を取り、チューリッヒ空港へ。
早く着きすぎたのでショッピングと空港散策。あっという間の8日間だったけどさすが鉄道大国スイス。アクセス至便で非常にコンパクトな旅行が出来たと思う。
後半天気が優れなかったのだけが心残りだけど・・・。
今度は冬に行き、スキーを楽しみたいものである。


 

 


May the adventure be full of wonder and grace!!