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ツーリングレポート

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北の大地へ…

05'9/22(木)〜9/28(水)
総走行距離 約4,072km
(道内) 約2,600km
ソロツーリング
by CBR1100XX

 いつもなら、夏の時期にアメリカへと羽を伸ばしに行っているはず・・・。
だが、今年は友達に誘われて、年末年始にハワイに行く事が決まっていた。
でも、9月でチャラになる有給が3日残っていた。
そんな時、「そうだ、北海道へ行こう!」と思い立った。
フットサルの試合予定と、仕事の都合を鑑み、計画実行日は9/22(木)仕事後〜9/28(水)に。
有給も無事取れ、後は準備のみ。
愛車CBはブレーキ不調につき、北海道に乗っていくのは心許ない。
そこで、箱入りになっている友人Iのブラックバードに目をつける。
去年の夏のツーリングに事故って以来、未修理で赤男爵のガレージに眠っているらしい。
バイクを借りれるか頼んだところ、即答でOKだった。
早速、友人Iと赤男爵に行き、修理依頼をする。
事故車ではあるが、軽傷だし、300km/h overの純血ツアラー。
かつてない長距離移動になる今回のツーリングにはもってこいのバイク。
大洗からフェリーで行く案もあったが、片道20時間もかかるし、貴重な時間を無駄に出来ないので
青森まで高速を使い、青森〜函館間のフェリーを利用することに。
道内宿泊は全てテント。
朝飯・晩飯も自炊。
昼飯はうまそうなものがあれば外食する事にしたが、基本的にはレーション(行動食)携帯。

約1年ぶりのロングツーリング。
しかも未知の大地、北海道。
しかもテント持ってソロツーリング。
ホントに期待と不安が入り混じる中の計画であった。
不安要素は、青森までの高速移動、雨の二つ。

そして時は来た!!
行ってみれば、そこはまさに聖地。
天候にも恵まれ、5日半で4000km以上を走破。
道内だけでも実に2,600km!!

9月22日(木)・23日(金)

18:30、仕事を終え、帰路に着く。
風呂に入り、飯を食い、荷物をバイクにくくりつけ、出発。
21:30に地元のSSで給油し、首都高から一路青森へ。
当初は深夜の青森着を予定していたが、とんでもない。
雨が降っているのもあり、ただでさえ視界の悪いスモークシールドが更に見えない。
しかも睡魔に襲われるわ、で給油の用もないのにやたらとパーキング休憩を繰り返す。
7:30、津軽PAで本州最後の給油を行い、9:10青森発のフェリーを予約する。
フェリーターミナルに着いたのは8:30。
なんと11時間もかかった事に・・・。
1/3は睡眠時間だけど・・・。

9:10発のフェリーに乗り、短い睡眠を取る。
13:00函館着!!
ハッチをくぐり北の大地へと走り出す。
本来ならば朝函館着、時計回りに海岸沿いを走り、カムイ岬〜札幌〜富良野と
行くはずだったが、睡魔により時間を大幅にロスしたため、ショートカット!
国縫から高速に乗り、三笠で降り、富良野へ抜けることに。
途中3回のガス給油以外はひたすら走り続け、黄昏時に三笠ICを降りる。
日没とともに冷え込み、シールドが曇る。しかも富良野までは山道。
しかもスモークシールド。シールドの水滴を拭きつつ、恐々と運転し、19:00富良野着。
明日に備え、ガスを給油し、森林公園キャンプ場に向かう。
が、場所が分からない・・・。20分ほど迷った挙句、やっと見つけ、テン場脇駐車場にバイクを止める。
すると、「大変でしたね〜」と先に設営してたライダーらしき人が声をかけてきた。
一人のくせに5人用?のテントだった。
彼いわく「狭いと疲れるからね・・・」
同じく一人でツーリング中で、今朝はサロマ湖にいたらしい。
作りすぎて余ったというカレーを頂き、今夜の飯のおかずにする。
荷物を解き、テントを張り、お湯を沸かし、コーヒーを飲みながらご飯を炊いた。
こういう時に、大学での山岳部経験が活きる。
ちなみに夕食メニューは、白米1合半、インスタント味噌汁のみ。
それにいただいたカレーをぶっかけて食べた。

夕飯を平らげたあと、例の人と一緒にしばし語り合い、22時には就寝。
北海道での1日目が終わったわけだが、この日の走行距離は5時間弱で431km。
遅れも取り戻せたので、明日は予定通り富良野〜宗谷岬へ。
十勝岳はカレーを分けたくれたライダーの助言もあり、行動予定からはずす事に。


ちなみにこれがツーリング中の朝飯&晩飯
おかずはめんどくさいので作りませんでした。

9月24日(土)

5:30起床。
寒いと言われてたが、思ったより快適に寝れた。
早速コーヒーで目を覚まし、飯を炊く。
朝食を済ませ、パッキングをし、7:30には出発。
管理事務所でテン場代を払い、朝靄に煙る公園を後にする。
目指すはパッチワークの丘。
朝靄も晴れ始め、北海道の雄大な自然が目の前に開けてくる。
牧草ロールがころがる、どこまでも開けた丘がいくつも連なり、朝日を浴びて黄金色に輝いている。
とても幻想的な景色だった。
もちろん、写真に収めたが、訳あってお見せできないのが残念である。
美瑛橋を渡り、R237を右に折れて広域農道へ。
彩り豊かなパッチワークの道である。
マイルドセブンの丘、セブンスターの木といつかCMで見たことのある懐かしい風景を堪能しながら
ゆっくりと散歩でもするかのようにのんびりと丘を巡った。
途中、最近TVでもとりあげられていたランドカフェにも寄る。
ちょうどオーナーのドイツ人男性が農作業に向かうところだったので、声をかけ、しばし語る。
この時も掃いて捨てるほど写真を撮ったが訳合ってお見せできないのが心苦しい・・・
パッチワークの丘を後にし、比布へ向かう。
比布スキー場頂上からの眺めを堪能しようと思ったが、行って帰ってこなくちゃ行けないことが分かり、
今日中にサロマ湖へ行きたいという事もあり、あきらめて高速に乗る。
士別剣淵で高速を降りてしばらくした橋の袂でネズミ捕りに遭遇したが、
地元ナンバーの車について走ってたのでビビる必要もなかった。
R239に入り、一路日本海を目指す。この霧立国道はとんでもないハイスピードワィンディング。
距離も長く、交通量も少なく、結構楽しめた。
しだいに雲の形が変わり始め、標高もだんだんと下がってきた。
なだらかに下る丘の先に海が近いことを感じる。
しばらくして、丘と丘の合間に海が見え始めた。
日本海だ!
ここからは左手に日本海、右手には見渡す限りの草原を眺めながら、
どこまでも続く直線道路をひたすら走り続けた。
この先に、ライダーの憧れの「オロロン街道」が待っていると思うと、自然と速度が上がり始めた。
それにしても気持ちいい景色。思わずメットの中で歓声がこだまし、鼻歌まで出てきた。
鼻歌を歌いながら、ハイスピードで海岸線を北上し続ける。
11:40、道の駅「ほっと羽幌」着。レーション代わりの乾パンを少しつまみ、さらに北上。
ついにオロロン街道へ!
利尻島も見え始め、水平線と地平線が一緒になったとてつもない道。
彼方にはいくつもの風力発電のプロペラが壮大な景色の中、ゆっくりとその羽を回している。
これがオトンルイ風力発電所。とにかく、北海道のデカさを体感できるにはもってこいの場所。
利尻富士を眺めながら、時折写真を撮りながらノシャップ岬を目指す。
残念ながらここの写真もお見せできません。訳は後ほど・・・。

ノシャップ岬に着き、そそくさと宗谷岬へと向かう。
海岸沿いに宗谷岬を目指す正攻法を捨て、宗谷丘陵から最北端を目指した。
小高い丘を駆け上ると、目に飛び込む景色に感動した。
緩やかな丘陵が地平線の果てまで緑を織り成している。
そして左手には青い海。
所々枯れ草が黄金色に輝き、風の谷ナウシカの世界にいるような錯覚さえ覚えた。
遥か彼方に風車小屋を確認した。
宗谷岬平和公園という所らしい。

ただ、ただ、夢見心地でこの絶景を眺めていた。
ここら辺でも結構写真撮りまくったんだけど、この後起こるあるアクシデントにより○×△・・・。
友達に送るために撮った携帯画像しかお見せできないのが悔しい。

宗谷丘陵より宗谷岬を望む(携帯カメラ)
草が風になびき、素晴らしい景色だった。
ちなみに中心に高くそびえているのが「祈りの塔」

15:00、ここの展望レストランでステーキ丼を食しながら携帯&デジカメを充電させてもらう。
腹ごしらえ&充電も済んだところで、丘を下り、宗谷岬へと移動。

ついに来た!日本の最北端、宗谷岬!
碑の前に立ち、記念撮影、更には碑の裏の堤防に立ち(本当の意味での最北端)、
海の写真を撮ったのだが、この画像もありません(ToT)

残るは携帯に収めたバイクと碑のツーショットのみ。
土曜にしては、思ったより観光客もいなく、ゆっくりと過ごせた。
土産屋でお約束、日本最北端到達証明をGET!

100円

その他、土産をまとめ買いし、宅急便で家に送る。
そして、これまたお決まり、日本最北端の給油所で給油し、
日本最北端給油証明書をもらう。


この時点で16時。
結構随分とゆっくりしてしまった。
この日はクッチャロ湖に泊まる予定だったが、友人I曰く、「サロマまで行ける!」と。
傾く西日に不安を覚えながらも、サロマ湖まで行く決心をする。

このように、走りながら写真を撮っていた時、ついに512Mメモリーカードがフルに。
いったん停止してメモリーカードを替えればいいものを、走りながらいらない画像を消去しようとしたのが悲劇の元。
1枚を消したつもりが、何故か画面には「ALL ERASE」の文字が。
ヤバッ!! 急いで電源を切るも、カメラは無常にもデータを消し続ける。
電池カバーを開け、メモリーカードを強制的に抜き取った。
再セットし、恐々画像データを見てみると・・・150枚以上あった画像が最後の2枚しか残ってね〜〜〜!!
マジ泣きそうになった。

マイルドセブンの丘が・・・
彩り豊かな美瑛の景色が・・・
あの宗谷丘陵の絶景が・・・
宗谷岬での記念写真が・・・

が、いつまでも嘆いててもしょうがない。
大切なのは気持ちを切り替える事、
と何故か自分に納得させ、暮れ行く寂しい海岸線を走り続けるのであった・・・。

デジカメデータ消去に涙するオレ(え?見えないって?)

あちこちで見かける風力発電機。
ちなみにオトンルイ風力発電所のスケールのでかさはこの比じゃない。

左手にオホーツク海、右手に枯れた原野を眺めひたすら南下。
ちなみに速度はゆうに3桁。
一般道なのに高速道路なのである。

ちなみに、標識は「網走 300km」と。
さんびゃっきろ!? 
16時過ぎてるのに今から一般道300キロ走ったら着くのは何時なんだ?と不安になる。
だが、よく考えてみれば、テント張っても飯炊いて、ルート確認して寝るだけ。
日が出ているうちはよかったが、とっぷりと暮れると北海道の雄大な景色もクソもない。
だんだんとシールドに張り付く虫のせいで視界もだんだんと悪くなってくる。
たまに大当たりでトンボだかアブだか知らんが、べちゃっ!!と綺麗につぶれてくれるからたまったもんじゃない。

スタンドで給油がてらトイレでこびりついた虫とその血を洗い落とす。
洗い落としながらふと思ったんだが、オレのCBで来てたら最悪だった。
CBはネイキッドなので風圧をモロにかぶる=虫が革ジャンにも当たる=革ジャンも虫の死骸だらけ
ところが、ブラックバードはツアラーなので、カウルのおかげで虫のヒット率もメットだけに収まってくれる。
当然、前面はそこらじゅう虫だらけ。触る気もしなかったね(笑)


かすかに空がピンク色がかってる。
本日の写真はこれが最後。

ひたすら走り続け、19:30、やっとサロマ湖北端の上湧別に着く。
ホクレンで給油し、キムネアップ岬での野営をあきらめ、近くの上湧別五鹿山公園キャンプ場にテンパる。
そして温泉セットだけを持ち、すぐ近くのかみゆうべつ温泉チューリップの湯へ。
キャンプ場からバイクで3分位。
辺りは真っ暗だったが、満天の星空だった。
ここの温泉でシャワーだけ浴びてサッパリし、テントに戻り、夕飯。
この日は遅く、23時頃就寝。
ちなみにこの日の走行距離、実に626km。うち高速30km弱。
驚異的な数字である。
この頃から肩が張り始め(慣れない前傾姿勢)、
スロットルひねりっ放しの手首も少し痛くなってきたが、
不思議と疲れはそんなに感じない。
ちゃんと睡眠は取ってるし、何より好天の中、めくるめく北の大地の景色に元気をもらってる。

9月25日(日)

6時過ぎ起床。

味噌汁を作り、ご飯を炊き、飯を平らげる。
で、眠気覚ましのコーヒーを飲みながらパッキング。


上湧別五鹿山公園キャンプ場
中々快適だった

8:00出発

今日は、昨日に比べて移動距離も少なめ。
暖気がてらタラタラとサロマ湖畔を流し、8:37キムネアップ岬キャンプ場へ。
昨夜はここに野営する予定だったが、時間的にも遅かったことと、風呂に入りたいのもあって断念。
まだテントでグズってる人達のバイクが止まってた。

ライダー達には大人気のキムネアップ岬キャンプ場
写っている水面は海ではなく、サロマ湖。

その近くにサンゴ草が真っ赤に燃えていた。
札幌からサンゴ草を見に来た、という定年夫婦の話によると、
野取湖はもっと凄いらしい。
野取湖のサンゴ草を見ることもこの旅の目的の一つだった。
キムネアップ岬を後にし、1回給油し、野取湖へ。

まさに紅葉たけなわでサンゴ草が真っ赤!!
そもそも、ツーリングマップルにも、0円MAPにもおまけ程度に紹介してあっただけだった。
この野取湖のサンゴ草を知ったのは、るるぶの「ドライブ北海道」でだった。
誌面に載ってた真っ赤な湖畔の写真を見て、「なんじゃこれわ〜〜!!」となった。
見頃もちょうど、9月下旬とある。
噂にたがわず、真っ赤な絨毯を敷き詰めたように色づいた湖畔が美しかった。
サンゴ草といっても、サンゴではなく、「アッケシソウ」という名の一年草らしい。
塩分の多い湿地に生え、秋には紅葉してサンゴのように見えることからサンゴ草とも呼ばれてるそうな。
北国の秋の名物、皆も是非ご覧あれ。本州では中々お目にかかれないと思う。

約20分ほど鑑賞し、9:40、野取湖発。
知床峠を経由し、開陽台を目指す。

知床峠へと続くワインディングを攻める
サイドミラーをご覧になれば分かるように、こうして写真を撮っているのである

11時頃知床峠着

世界遺産にも登録された知床半島。ちょうど霧がかかっていて、深山幽谷を思わせるような景色だった。
本当ならば、知床五湖、カムイワッカ湯の滝等も行きたかったんだが、
日程の都合上、カット。次回に訪れたい。

雲間から遥か彼方の海上に国後島を望む(見えるかな?)

正午には羅臼を通過し、次の目的地開陽台へ。

開陽台が近い!
地平線までまっすぐな道
途中、オリジナルフラッグがあるという開陽台ホクレンに寄るが、休みだった。


ご存知、地球が丸く見える「開陽台」
271mと決して高くないのに、見える景色はご覧の通り
まさに北海道ならでは景色
曇り空だったが、見えるものは見えたので満足。
今度はこの近くにある開陽台キャンプ場や星に手の届く丘キャンプ場に泊まってみたい。

壮大なパノラマ
晴れてればなおよし

開陽台を出発し、裏摩周へ。
13:20、神秘の湖、摩周湖には小さい頃から憧れていた。

これが噂の摩周湖。
世界でも有数の透明度を誇るカルデラ湖。



今、その摩周湖に着き、その雄大な姿を目にする事に。
ここ、裏摩周展望台は、3つある展望台のうち、最も湖面に近い展望台。

ちょっと曇ってたのか、湖面のブルーの輝きは見られなかった。
中央にあるのがカムイシュ島。
小さく見えるが、大きさは110×40m、高さは31mだという。

この後、ちょい寄り道をし、神の子池へ。

神の子池へと続くダート
フラットダートで勾配もあまりないのでオンロード車でも問題なし

14:30、ダートの先に待ち受けるは神秘の池

バヌワツのブルーホールとやらにも劣らぬ青さである。
摩周湖の地下水が湧き出る様が、エメラルドグリーンの池の底で確かに見れるのである
池に沈んでいる倒木がこれまた神秘的
オレの他にも何人かの観光客が来てて、何かに取りつかれたかのように、じっと写真を撮ってた。

神の子池は奥の一部分だけが青いのであるが、それでもこの透明度には脱帽

摩周ホクレンで給油し、摩周第一展望台へ!!
この展望台に着くと同時に、雲間から日が射してきた。

摩周第一展望台

知る人ぞ知る、摩周湖オリジナルソフトクリーム
「摩周ブルー」
さて、お味のほうは?
イマイチ・・・


摩周湖ベストショット
摩周第三展望台より
熊笹茂る斜面を舐めるように摩周湖湖面を写す。


こちらもお気に入りのワンショット
曇り空の向こうに青空が見える・・・幻想的な摩周湖をバックに。

裏摩周、第一、第三と3つの展望台から摩周湖を見たが、今回は第三展望台からの眺めが一番よかった。
高さを実感出来たし、何しろいい写真が撮れたし。
今度は名物「霧の摩周湖」も見てみたい。

第三展望台駐車場にて傾く西日を写す


日の沈まぬうちに和琴キャンプ場へ急ぐ..
と、突如目の前に飛び込んだ異様な景色。

今まで目にしてきた景色とは打って変わって硫黄が立ち込める岩肌むき出しの山。
予定にも、こういうところがある事すらも把握してなかったが、寄ってみる事に。


硫黄で真っ黄色
ここで作った蒸し卵をおかず代わりに買う。
1個で10年長生きするらしい。
5個で50年って事は150歳の長寿確定ってか(笑)


突如、目の前に現れた菜の花畑(菜の花じゃないかも・・・)


18:00、和琴半島湖畔キャンプ場到着
湖畔にテントが張れて、バイク乗り入れ可、と絶好のロケーション
すぐ隣には、隼とFJR1300が。
そこの民宿の風呂に入った時に一緒になったので、しばし談笑。
東京、埼玉からそれぞれ来てて、10/1まで北海道にいるらしい。
うらやましい長期休暇である。
昨日苫小牧入りして、今日から3日間、ここをベースにして色んな所へ走りに行くとのこと。
羅臼のWRC観戦も楽しみの一つらしい。
ちょうどいいので、この二人に先ほどの温泉卵を二つあげた。
これで50年延びるはずだったオレの寿命は20年減った(笑)


夕日でピンク色に染まる空の下に静かな屈斜路湖
日が暮れて、静かに波打つ屈斜路湖畔を眺めながら夕飯。
この道内キャンプ場のうち一番気に入ったキャンプ場だった。
湖畔で、バイク乗り入れOK最高!!

風呂後は、明日のルートを簡単にチェックして、就寝。

本日の走行距離 430km

9月26日(月)

6時過ぎ起床。
飯食って、和琴露天風呂へ。

噂に違わず、最高。
眺めもいいし、湯加減もちょうどいい。

温まったところで、パッキングをし、7:30出発。

美幌峠へと向かう。
途中、自衛隊車両数台と遭遇

熊笹茂るワィンディングを駆け上り、ぐんぐん高度を稼ぐと、20分もしないうちに美幌峠着!!
そこには別世界が待っていた。

駐車場に入ると、なんと自衛隊関連車両50台以上。
さながら最前線のようである。
そして談笑しながら休憩所のトイレを利用する自衛隊員。
「おまえらピクニックでもしに来たのか!」と突っ込みたくなった。

さて、自衛隊は置いといて、こちら美幌峠指標。
標高525m。網走と釧路を分ける峠である。
眼前に今までいた屈斜路湖が望める絶好ロケーション。
ちょっと雲が多かったが、晴れたときの眺めは最高に違いない。


おいおい、やべーよ。この景色。
そしてオレが座ってる場所も・・・(断崖絶壁)。
昔、剣岳周辺でロッククライミングやってたが、その時の眺めにも
勝るとも劣らない壮大な景色である。
高所好きのオレにとってはこの上ない絶景ポイント。

※よい子は柵越えしちゃいけません

絶壁から眺める景色。

30分ほど絶景を眺め、出発。

途中休憩を取った「キタキツネ牧場」で飼われていたキタキツネ。
ここのおばちゃんに、「三国峠までどのくらいですか?」
と聞いたところ、「層雲峡行ってごらん」と勧められ、
当初は行く予定なかったが、行くことに。
どうせ、今日はそんなに走らないし、ま、いいか。

そんなこんなで層雲峡目指して走ってると、長いトンネルが・・・
4〜5kmあろうかという長いトンネルを抜けると、
そこには今まで見慣れた北海道の景色はなかった。
変わりに岩肌むきだしの岩山が天高くそびえていた。

そして、この青空。

ここ、層雲峡は柱状節理の絶壁が続く峡谷。
さながら小さな中国のようである。

知る人ぞ知る、流星の滝&銀河の滝
落差100mを流れ落ちる豪快な、水墨画のような景観。

駐車場へ戻る途中に撮った写真だが、
流星の滝&銀河の滝をまとめて見れる展望台へと続く道。
ここをバイクで登るのはしんどかった・・・、って登れませんから!
駆け足で5分ぐらいかな。
勾配がキツイせいか、登る観光客は殆どいなかったような・・・。


まさに山紫水明の景観。
紅葉は始まりかけで、この分だと10月中旬ぐらいが最盛期かな。

さて、層雲峡も堪能して、ガスを入れるべく層雲峡温泉街へ。

本当の意味で「静かな山間に佇む温泉街」だった。
今度はここに泊まってゆっくりしたい!!

そして来た道を少し戻り、三国峠へ。

ここ、三国峠は標高1,150mで道内最高所の峠


見下ろす景色はこのように、原生林が広がる樹海。
それを割るように通ってる国道273号。
ここの眺めも、また、格別。
ライダー冥利に尽きる、ってもんである。

ちょうどこの時点で正午。

飯はレーションで済ませ、ナイタイ高原へと一目散に走る。
ナイタイ高原の眺めもヤバイらしい。

然別湖を迂回し、道道806号に入ると、山の斜面が開けてる部分が遠巻きに見える。
「あれがナイタイ高原か〜」
スキー場ほどはある広大な牧場。
公共の牧場としては日本一の広さを誇るとの事。


ナイタイ高原に放牧されている馬と。
馬に乗ってこの大草原を駆けられたらさぞかし最高だろうな〜。


ヤバイヨ!! この景色!!
眼前に広がる十勝平野。
雲はあるものの、眺望は文句なし。

さて、「ウマイ!!」と噂されているナイタイ高原牧場名物ソフトクリームを購入。

ウマイ!!コクが違う。
芝生に腰を下ろし、ソフトクリームを舐めながら、目の前に開ける十勝平野をぼけ〜っと眺めてた。
時間にして40分以上。
多分、今までの旅の中、一番のんびりとゆっくりしてた所かな。ここは。
それぐらい気持ちよかった。

さて、本日の最終目的地然別峡鹿の湯。
オフロード派にはマストスポットであるここ。
ダートがあるらしいが、地図で見るとそんなにダート区間が長いようには見えなかったし、
どのガイドブックにも「行っとけ!!」みたいな感じで書いてあったから迷わず行くことに。

然別湖脇の山道を奥深く入っていく。
道幅は狭いものの、舗装も比較的新しく、
「これ余裕ジャン。ダートなんてないんじゃないの?」
って思ってたら、ダートが・・・。
とりあえず、チョロチョロと走りながら更に奥へ。
と、舗装道路になる。
「いえ〜い、楽勝!!」
と思ってたら、カーブになってる橋の部分だけ舗装で、その先は更にジャレたダート。
砂利はデカイわ、轍はあるわ、勾配も結構あるわ、で
「これってもしかしてやばいんじゃないの?」
っていう不安が頭の中をよぎり始める。

ついには、もう、ホントに歩いたほうが早いくらいの速度にまで低下。
ダートラのごとく攻める気力もなきゃ、テクもない。
今までずっと「C」の辺りに収まってた水温計が、ここで初めて跳ね上がる。

もう、マジで引き返そうかと思ったけど、せっかくここまで来たんだし、とことんまで行っちゃう事に。
ついに!! 着きました!!
マジで山奥。



野営場を通り抜けた奥には・・・
名露天風呂「鹿の湯」が。

渓流(シイシカリベツ川)沿いに大人10人ほどが入れる混浴露天風呂。
まさに秘湯!!
本来ならここの然別野営場に泊まる予定だったのだが、
途中のダートが結構きつくて、明日の朝、雨でぬれたり、
霧だったりしたら帰れないと思い、温泉だけ堪能し、テントは別のところで張ることに。

ゆっくりと体を温めて、鹿の湯を後にする。

帰り道は下り坂が多かったが、余裕も出てきたのか、曲率がキツイカーブでは
少しずつパワースライドさせながら向き変えして走った。
オフ車だったらもっとスピード出せたんだが・・・
やっとこさ舗装路に戻り、一安心。
で、本日のキャンプ場を、「十勝エコロジーパーク」にする。
帯広まで下る途中で、写真で見た景色を目にする。

それがこれ。十勝高原牧場への入り口。
フラットダートの両脇にどこまでも続く白樺並木。
北海道ならではの景色だ。

日も傾いた18時にエコロジーパークに着く。
なんと管理室が閉まってる。
「受付は17時までです。御用のある方はインターホンを押してください」
おいおい、終わるの早いな・・・と思い、インターホンを押す。
テン場代を聞くと1500円だとよ!
今までのテン場代の3倍。
でも、金に困ってるわけじゃないし、もう日も暮れてたのでさっさと払って設営。

ただっ広いテン場にオレ一人・・・。
ただ、1500円なだけあり、トイレも水場も綺麗。
寂しいなと思いながら飯を炊き、食べ終わって紅茶をすすりながら明日のルートを確認してると
車のエンジン音が。4,5人のグループらしき人が来てテント設営し始めた。
楽器とか鳴らしてたが、明日は4時半起きと決めてたのでそそくさとシュラフに入る。

この日の走行距離は少なめで407km。
明日はいよいよ最終日!!

9月27日(火)

いつも通り4時半過ぎには起きる。
何故か、四日間の中で一番寒く感じた朝だった。
シュラフに包まりながら、テントの中で飯を炊きながら暖を取る。
飯を済ませる頃には周りも白んできた。
コーヒーを飲みながら撤収。

濃い朝靄に煙るエコロジーパーク。
バイクも朝露でびっしょり。
6時には出発。
道道15号を南下。
標高が少し高い更別の辺りに入るとこれまたすごい朝靄。

メットのシールドは瞬く間に濡れ、何度も何度もシールドの露をぬぐうことに。

一瞬、霧が晴れ、青空が見えた。
いや〜、清々しい朝だ!!

道道15号から国道236号へ抜け、海岸沿いの道に。
ここから先は通称「黄金道路」と呼ばれる道。
その名の由来は、「黄金を敷くぐらい建設費がかかったこと」から来るらしい。
まさに、海沿いの断崖絶壁に造られた道。
よくぞ、こんな所に道を作ったものだなと関心してしまう。
西伊豆も似ているが、黄金道路はケタが違う。
西伊豆は断崖絶壁は迂回するような形だが、
ここは、勾配もなく、まさに海岸線に沿った道。


斜めに差し込む朝日で眩しく光り輝くいくつものシェードを潜り抜け、断崖絶壁の海岸を疾走して行く。
天気の悪い日は波をもろにかぶるらしく、緩衝波堤も至る所にあった。

この「黄金道路」は、ホントに気持ちよく走れた。
早朝だったこともあり、交通量も少なかったし、何より天気がよかった。
攻めることも忘れ、のんびりとオホーツク海を眺めながら走ってた。
とはいっても、制限速度余裕でオーバーしてました・・・

朝日。時間にして8時ちょっと前。


まさしくゼロレベルで断崖絶壁の海岸線を縫う道。
積雪時の目印代わりとなる指標も真冬の積雪の凄さを感じさせ、
北海道ならではの雰囲気を醸し出している。
遠くが霞んで見えるのは、砕けた波しぶきが風で舞っている為。

オロロン街道にもヒケを取らない、北海道を感じさせる海岸線。
「北にオロロンあり、南には黄金道路あり」ってか(笑)


望洋台にある「黄金道路」の碑

望洋台より今来た道(北)を望む。
手前の廃屋がなかなかいい雰囲気を出していて、いい写真になった(^^)


百人浜が近づくにつれ、今までの断崖絶壁も開けた、草原の中を走る道へと姿を変える。

百人浜展望台

植樹されたばかりの低い松林を両脇に見ながら、草原を奥へ行くと・・・、奥に光り輝く海が姿を現した。

この百人浜、北海道ではちょっと異質な海岸。

そして、旅の終わりを告げる襟裳岬へ。
朝6時に十勝川を出て、8:40、北海道最南端「襟裳岬」に到着。
駐車場にバイクを止め、岬の最先端へと足を運ぶ。
本当によく晴れてて、空も海も真っ青。
光輝く海に日高山脈の名残である岩礁がポツン、ポツンと・・・。



正真正銘、襟裳岬の最南端。
そこに立つ木柱に登って、ハイ、ポーズ。
ここで会ったチャリダー、学生さんで半年かけて北海道を回ってる途中らしい。
オレも学生の時に行くべきだった・・・。
時間に追われず、気の済むまでゆっくりと旅していたかった。


これにて、オレの旅はおしまい。
あとは帰るだけ。
電話で青森行きのフェリーの予約をする。
地球岬やカムイ岬も寄ろうと思ったけど、最終日だし、ゆっくりと帰ることにし、
寄り道せずにまっすぐ函館へと向かう。
9:30、襟裳岬を立つ。
12時半、苫小牧着。
ここからフェリーで帰る事も選択肢に入れてたが、片道20時間もかかるのが馬鹿馬鹿しい。
苫小牧から高速に乗り、国縫まで一直線。
国縫を下りた辺りから函館の手前辺りまで、通り雨に降られた。
でも、今まで全然降らなかった事を考えると、嫌な気もしなかった。

函館新道から眺める函館港、函館山(左)
右上には通り雨の雨雲。

帰りたくない気持ちに反して、函館山はぐんぐんと近づいてくる。
17:00、函館着。
512M&256Mのメモリーカードを使い果たしていたので、
駅近くの写真屋に行き、CD-Rにデータ書き出してもらう事に。
待ち時間1時間はジャンプを呼んで時間つぶし。
CD-Rとメモリーカードを受け取り、256Mのメモリーカードを空にする。
日もとっぷりと暮れ、心配した雨も函館では降る気配がなかった。

空になったメモリーカードを携え、いざ、函館山へ。
駐車場にバイクを置き、ロープウェーに乗って、函館の夜景を一望できる展望台へ。
ロープウェー内は明かりが消され、展望台まで登る時点から夜景を堪能できる。
心地よい風が吹き抜ける展望台へ。
今まで写真でしか、TVでしか見た事になかった函館山からの夜景が今、目の前に・・・。

マジで涙モンだね。こいつぁ・・・。
この写真、3枚をつなげたパノラマだけど、
ホントに函館市街地以外は真っ暗。
手前は函館山で真っ暗だし、
中心部の左右は海で真っ暗。
奥は山でこれまた真っ暗。
ほんとに、小さな街が手のひらに乗りそうな感じで一望できる。
「行ってみないと分からない」っていうのはこういう事を言うんだな〜と改めて実感した。
写真集を見ただけじゃ、TVを見ただけじゃ決して味わえない生の感動があった。
「だから函館山の夜景は凄いんだ・・・」と妙に納得。
去年の夏、地上80階のエンパイアステートビルから眺めた摩天楼NYCの夜景も凄かったけど、
函館も負けちゃぁいないね。
スケールでは適わないかもしれないが、宝石箱をひっくり返したような、
コンパクトで、それでいて味わい深い夜景だった。

薄着で山頂に来て、「さみぃ〜よ」とかいう声が「うわ〜綺麗!!」という歓声にも負けじとあちこちで聞こえた。
だが、オレは、道中を鼻水たらしながら数千キロを走りぬけてきたばかり。
防寒対策もフリースに革ジャンとぬかりなし。
寒風もものとせず、目の前の夜景を眺めながら、
この5日間の旅の全行程を走馬灯のように頭の中で巡らせてた。
最高の旅の締めくくりだった。約1時間は頂上にいたかな。
また北海道に来て、今回の旅で行けなかった所にも行くと思うけど、
その時もやはり、ここで函館の夜景を見て旅を締めくくると思う。

展望台の土産屋で少し土産を買い、下山。
近くの居酒屋?でいくら丼大盛りを食し、サウナで旅の疲れを癒す。

23時半、フェリー乗り場へ移動。

最終日走行距離 599km

9月28日(水)


北海道にさよならを告げ、青森行きへのフェリーに乗る。
大きく口を開けるハッチに乗り込み、バイクを係留し、客室へ。
快眠ハーブのバレリアンを飲み、4時間程の短い睡眠へ。

4:30、青森到着。
眠い目をこじ開け、帰路につく。
行きは10時間かかったが、帰りは日中だし、雨も降らなさそうだし、睡眠も取ったので早く着けるだろう。

草木も眠る丑三つ時?に寒い青森を出発。
高速の温度計は外気温6度または7度と表示されている。
さっぶ〜〜〜


朝日を正面に拝みながら、ただひたすらに飛ばす。
休憩は給油時のみで4回。
11時には浦和本線に入る。
途中、パトカーに捕まってる車とか見たけど、何も考えずに飛ばすほどオレは馬鹿じゃない。
そういや、道内でもあんだけ飛ばしたにもかかわらず捕まらなかった。
ポイントは、市街地周辺は地元の車の後ろに張り付く。
見通しの悪い所では無理に飛ばさない。
逆に見通しのいい郊外ではかっ飛ばしましたぜ。
たまに親切な対向車がパッシングで教えてくれることもあるし。
まぁ、あとは第6感を働かせる事だな。

高速を降りてのんびり走り、12:30帰宅。
ブラックバードのタイヤは超高速走行でボロボロ。
青森から家まで742km。
全行程約4,072km
道内だけでも約2,600km

お疲れ様でした!!


今回の北海道ツーリングのプランニングに利用したもの

二輪便利帳
初めての北海道ツーリングにあたり、豊富なデータを参考にさせて頂きました。


 

 

 


May the adventure be full of wonder and grace!!